2021/09/05 23:20
緊急事態宣言で何ヶ月もお出かけらしいお出かけをしていなかったのですが、9月5日までの会期で開催されていた「グランマ・モーゼス展 素敵な100年人生」を見に、名古屋へ思い切って出かけてきました。
1860年に生まれたモーゼスおばあちゃん、70歳を過ぎてから絵を描き始め、101歳で亡くなるまで、農婦として暮らした素朴で身近な生活を題材に描き続けた、アメリカの国民的おばあちゃん画家です。
もともと刺繍絵を趣味にしていたのが、リューマチの悪化で針仕事が困難になり、妹の勧めで絵を始めたのだとか。刺繍絵の作品も数展展示されていましたが(2番目の画像がそれです)、沢山の色やステッチで埋め尽くされ、見ているとなんだか嬉しくなってくる作品です。きっとモーゼスおばあちゃんもこれはすごく楽しんで作ったのではないかしらと、想像してしまいました。
石鹸や蝋燭を作ったり、キルトを縫う寄り合いがあったり、馬の世話や作物の収穫、ハロウィンにクリスマス。モーゼスおばあちゃんの自然とともにあった素朴な生活の絵は、芸術的尺度などいらない、伸びやかで楽しくて、思わず微笑んでしまうような素敵な作品です。そしてそこに描かれた暮らしや風景は、自分が体験していないのになぜかとても親しみを感じ、いつまでも見飽きない時間は、とても幸せな時間になりました。
生活に必要なものは、ほぼすべて手作りしていた時代、日々の暮らしはとても忙しいものだっただろうと思います。けれどまさに自分の手で作り上げる生活は、とても人間らしい暮らしだったのではないかなと、現代の便利?な生活に慣れてしまった私は、少し羨ましくもありました。「手仕事」の意味が今とは少し違ったように感じます。
グランマ・モーゼス展、この後は静岡、東京、広島を巡回するそうです。ご興味とタイミングが合うようなら、おすすめです!